2024年 最短距離キャノンボール(温泉キャノボ)

中山道キャノンボール、R1キャノンボール(鈴鹿ー箱根を通る)、どちらもOT(大阪→東京)、TO(東京→大阪)双方向達成した事だし、あとは中央道キャノンボール(中山道+甲州街道)の往復で大きな大阪~東京間の街道は制覇した事になる。

次のキャノンボールは秘密結社・キャノボ虎の穴のメンバー(写真、秘密なのに全員顔バレ)と東京・大阪で同時に出発し、途中で一緒にお昼ご飯を食べる予定だった。メンバーが東京発という事で、東京→大阪、大阪→東京を交互に繰り返す事にしている自分としては、先に東京→大阪を達成しておかないと同方向になってしまう。何か手ごろで遣り甲斐のあるキャノボを、という事で私を中山道キャノンボールにいざなった伝説のキャノンボーラー、Hideさんの持つキャノンボール最短距離記録に挑戦する事にした。

いつもの装備で(中山道キャノンボール記録参照)、金曜日早めに仕事を切り上げ、新幹線で東京に向かう。ワンデイサイクリングなんで家族(イヌの梅の散歩とか)に不便をかける事も仕事に支障をきたす事もなく週末土曜日の丸一日だけで完結できるのがキャノボの良い所。新大阪駅でお弁当を買って新大阪発のぞみに乗り込む。コロナが終わって前みたいに素泊まり2900円とかで泊まれる事はなくなったけど、割り引きクーポン等を使って1万円弱で出発点、日本橋の元標近くの西鉄ホテルに泊まる

前回のR1さわやかキャノボOTで最後わざわざR1を通って東京タワーの袂をとおったのに、それと気づく余裕もなくて(R1さわやかキャノボ記録書く予定)、折角だし前夜祭で東京タワー見ておこうと東京タワーに寄り、コンビニで出発用のパンなどを買っておく。

いつものようにワクワクしてあまり眠れないのだけど、まぁ横になってるだけで十分に休息できるからと自分にいい聞かせ、6時の出発にあわせて4時半に目覚ましをセット。起きて隣のコンビニで朝食を買ってホテルで食べ、出発点の日本道路元標に向かう。ほぼ定刻の5:59に写真を撮り、6:03にスタート

ここからはRideWithGPSのリンクを見ながらお楽しみください。新しいタブで開きます。 https://ridewithgps.com/routes/45604359

それでは今回の最短距離キャノボのコースご紹介

まずはコースを引いてみよう、という事でRideWithGPSのコースプランナーで引き始める。最短距離といっても特別な事はなく、東京からR246を通って御殿場を経由し、浜名湖の北を通る姫街道、名古屋から亀山まではR23号を経由し木津を通って大阪、という2024年現在キャノボの王道となっている510kmと少しのコースが基本になる。富士サファリランドの前を通ると獲得標高は450mほど上がるが距離は少し短くなる。こちらも何人ものキャノンボーラーが採用し達成している。なんだかんだと詰めていってやっと500kmをギリギリ切るくらい。はて?最短距離記録を持っているHideさんはどこをどう通ったんだろう?これは直接聞くしかないと思いX(元Twitter)で尋ねると速攻でRideWithGPSのコースとStravaのログを教えてくれた。早速答え合わせ。

まず最初におや?と思ったのは、自分が中央分離帯で通れないと思って北の交差点(地図に65と書いてある所)まで迂回していた道をそのまま真っ直ぐに走っている。どうなってるんだろう?GoogleMapでペグマンを置いて確認したら、何と横断歩道があって中央分離帯を越えられるようになっている。そうか、地図に載ってない道がないとは限らない。階段や歩道など、自転車に拘る必要はないんだ。押してあるけば歩行者だしな。ルートプランナーの地図だけに頼るのはやめて、すべてのコースを片っ端からGoogleMapの航空撮影で拡大し、階段だろうが歩道だろうがとにかく最短距離で人が通れるコースを探した。

上の地図の所、右端の高架下の道路を走って来て左の方で合流して左へいくのだが(地図の青いルート)、航空写真を見ると高架道路の下を通るところに階段があって高架道路に上がれる。青いルートより階段を上がった赤いルートの方が数メートル短くなる。円弧を走るより頂点を直線で結んだ弦の方が距離が短くできる。僅か数メートルでも弧を弦にする作業を地道に続けた。もちろんキャノボはスピード勝負なので、そんなコースを引くとスピードは出せない。でも500kmを切ったら要求グロスアベレージも低くなるしきっと24時間以内で走れるだろう。

ここから走行記に戻ります~

走り始めて1時間、多摩川を渡るのに僅かだが二子橋よりも新二子橋の歩道を走った方が距離が短い。TOだと高架下の左側に道路がない所があるので一端R246高架下の反対車線に渡る必要があるが、手前の交差点で渡るより、斜めに渡れる歩道橋の方が短い。という事で早速今回の最短距離キャノボの1つ目となる階段を昇る。

新二子橋を歩道で渡り、らせん階段を下りていく所でツィッターつながりのカナパンさんが迎撃に来てくれた。めちゃ喜んでます。今回は2月で真冬装備なのでシューズカバーもつけて全体的に重たそう。

8時43分、本厚木駅を通過。線路沿いの左右に道路があるのだが、珍しく進入禁止に「自転車を除く」の補助標識がついていない。線路沿い左の道路を通ると一方通行の順方向なので自転車に乗ったまま走れるが、R246に復帰する所で長い跨線橋を通らねばならず距離が長くなる。線路沿い右側の道に歩道があるので、押し歩きなら道路交通法違反にならない。延々と400m程押し歩いてR246に復帰する。

9時39分、順調にR246を走っているとGARMINのナビが間もなく左折の合図。え?左に道ないけど?すっかり忘れていたが階段と高架下の道路を見て、そういえばここも弧を弦にする階段作戦の所だった、と思いだし、自転車を担いで階段を降りる。

R246を使ったキャノボの醍醐味は富士山を近くで見られる事。御殿場に近づくと富士山がどんどん大きくなっていき、関西の住人にとっては普段は富士山を見ることがないので、ものすごく興奮する。ところが今回は曇天でまったく見えない。2021年2月のキャノボではとても良く見えたのに。左が今回2024年2月17日10時47分、右は2021年2月13日8時50分。そういえば出発時間はあまり変わらないのに2時間近く遅れてる。階段昇降したり押し歩きしてるのも遅延の原因となっているが、道を間違えて戻るとその分距離が長くなってしまうので、コースの分岐点などでは慎重になり平均スピードも落ちていく。

今回のキャノボでは、せっかく距離も短くて時間には余裕がある筈なので途中で温泉に入ろうと計画していた。御殿場周辺には良い温泉が沢山あり、コースを引く時になるべく温泉の前を通るように計画しようとしたのだが、どうしても少し遠回りになってしまう。山北駅前のさくらの湯も候補だったが、R246から温泉に逸れ、戻ってくると200mほどロスになる。今回の最短距離キャノボは、とにかく1mでも短く達成しないといけない。唯一最短距離コース上にある、キャノボではお馴染みの駿河健康ランドを候補にした。

御殿場までアップダウンを繰り返しながら少しづつ登っていく。箱根を通るルートだとまとまって登りがあるのですごく登った気になるが、今回のR246ルートはインターバルの繰り返しで獲得標高は箱根よりも却って高いくらいなのだが、あまり登った感じがしない。御殿場の快活クラブの辺りでR246は最高標高に達し、あとは沼津まで下って行けばよい。ただ、それは最短距離キャノボではない場合。最短距離キャノボでは愛鷹山と富士山の間を更に登っていく富士サファリルートを通る。そもそも登りが嫌いなので最短距離狙いでなければ絶対に取らないコースなのだが仕方がない。曇っていて富士山も見えず、ひたすら森の中を登っていく。最高地点の富士サファリランド入口近くは雪が残っていたが、今日は2月17日なので今年は雪が全然少ない方だろう。

上記の十里木の交差点を11時49分に通過。標高は850m程、あと1.5km程走って少し登れば今回のルートの最高地点、標高882mとなる。コースプロファイル図で左端がスタートの日本橋、右端が大阪梅田、そして左の方の一番高い所が富士サファリパーク、十里木交差点の少し先。スタートから5時間46分経過、114.8km、グロアベ19.9km/h。今回の要求グロアベ20.7km/hには足りないが全然焦っていない。首都圏の渋滞、そしてここまでの登りを考えれば、あとは余り登る事もない。

キャノボのような時間制限のあるトライアルでは、今のグロスアベレージ(休憩含めた平均速度)がどのくらいで、あとどのくらいに上げなければいけない、とは考えない。それをするとプレッシャーだけがかかり疲れる。残りのコースプロファイルを考え、残り何時間で残距離が何キロだから、計算して残りをグロアベ何キロで走れば達成できる、と考える。キャノボ中はずっとそれを計算しながら走っている。自分のポテンシャル、ここからのコースプロファイル、予想される風向き、都市の通過時間帯と渋滞予想、そういったものを考慮して、じゃあ残りはグロアベ23kmで走れば余裕やね、まだまだ大丈夫、と考えたほうが気が楽だし、実際の行程とほぼ合致する。

標高最高地点から田子の浦へは豪快なダウンヒル、とはならない。箱根峠から沼津への最近全面改修された国道1号線の高耐久性のアスファルトと違い、ここのように古い道路では凍結と融雪によりいたる所にポットホール(路面の穴ぼこ)が発生していて、危なくてスピードを上げて走れない。写真はGoogleMapのものだが、およそ下りの間はこのような感じだった。最短距離のためにこのルートを通ったけれど、そうでなけらば通らないだろう

海沿いまで降りてきて、東海道本線を歩道橋で渡る。ここは事前のgoogleMapでの調査で歩道橋が工事中になっていたので迂回路も準備していたのだが、幸い歩道橋の補修工事も終わっていて、無事通過できた。でもまた階段・・・そしてずっと下りだったので身体が冷えていてこの辺で温泉に入れたら最高だったのだけど、そううまい具合にコース上に温泉があるわけもなく、駿河健康ランドまでは我慢。R1に合流した時点で12時40分、グロアベは20.7kmに回復。

由比からはこれまでのキャノボでは旧道、東海道を通っていたし旧街道の趣きのあるとても良い道だけれど、バイパスの歩道を走った方が距離が短くなる。ここも一見軽車両禁止に見えるが、自転車を降りて歩行者となる事で歩道橋を渡ってバイパスの側道に降りる事ができる。画像左端の看板「自転車は降りて歩行」真ん中の看板「左折道路は歩行者自転車不可」右端看板「車両進入禁止」とてもわかりづらいが、左端の看板どおり歩けば歩道橋にアクセスできる。そして歩道橋でまたまた階段・・・

お待ちかね、駿河健康ランドには13:21に到着、出発から7時間18分、154km。グロアベ21.1km/h。上にも書いたとおり今のグロアベは気にしない。ここからはグロアベを稼げることはわかり切ってるし、今回は全体での距離も500kmないはず。せっかくやし心ゆくまで温泉に浸かって堪能しよう。受付が込み合っていてわりと並ぶ。地元の人の憩いのオアシス、人気なんやな。受付で自転車預かってもらえますか?と聞いたら、有料だけど地下のフィットネスクラブで預かってもらえるとの事。有料で全然OK。さっそく預かってもらって大浴場に浸かったり海の見える露天風呂に入ったり、天然温泉を堪能する。ああ気持ちいい。来てよかった。

後編に続く