
今回のルートについて
キャノボは大きく分けて海側を走る東海道ルートと山側を走る中山道や中央道ルートがあるが、鳥羽ー伊良湖を伊勢湾フェリーを使って渡るキャノボができないものかとずいぶん以前から考えていた。
東海道の各ルートの往復、中山道の往復、中央道(諏訪湖までを中山道、諏訪湖からを甲州街道)の往復すべて達成した事だし、いよいよ伊勢湾越え、旧街道ファンの自分としては暗峠越え伊勢本街道ルートを通ったキャノボをやってみようと思った。ただ、本当にできるんだろうか。伊勢本街道はロードバイクを始めた頃に走った道で、気に入って何度も走った道だ。2024年12月にXつながりの「かずし」さんが来阪したので、それに合わせて暗峠越えから平城京を通りR163に交差する所までを一緒に試走してみる。また3月29日にそのルートから伊勢にR163で抜ける道を榊原温泉まで試走。東海道キャノボは約520kmを24時間。伊良湖ルートは約500kmだが、フェリーが1時間あるので実質23時間。だいたい同じ感じ。ただしフェリーは20分前には着いてないといけないのと、フェリー乗り場に早く着きすぎても待ち時間として消えてしまうだけでプラスにはならない。5月18日、暗峠を越えてR163に入らずに伊勢本街道を通るルートで鳥羽まで試走。ちょっと無理目だけど、完全に無理なわけじゃない。無理そうな所を創意と工夫でなんとかするのが面白いんだよな。よし、これで行こう。天候を見ながら5月30日に出走宣言。実は3日前までなら新幹線グリーン車に2000円で乗れる早得3にちゃっかり予約していた。
緻密な時間計算、達成には1分も無駄にできない
試走から、何度も鳥羽のフェリー乗り場到達時間をシミュレートする。フェリー乗り場には20分前に着かないといけない事になっている。多少遅れなら乗せてもらえそうだけど。また、フェリーまでの前半と後半を合わせて24時間なので、早く着きすぎると後半の時間のロスになる。ぎりぎり20分前に到着する時間に出発するのが一番効率が良い。13時40分発のフェリーにのるためには鳥羽港到着が13時20分、距離は169km。試走では8時間以上かかったがコンビニ休憩も入れてたし、キャノボマシンのF10は平均速度も上がるので7時間40分とし、5時40分にスタートすれば良いと考えた。といってもギリギリで余裕のない時間配分で要求グロアベは約22km/h。まぁ着けなかったら伊勢までのサイクリングという事で後日やり直せばいいさ、と気楽に考える。出発当日の朝、愛犬の梅と一緒にバナナとパンを食べ、遅れないように出発。淀川を越えた新御堂沿いのコンビニでサンドイッチを2個食べる。伊勢湾フェリー乗船中の1時間でゆっくり昼ごはんを食べられるし、今までのように、なるべく遠くまで無補給で走ることを考えなくてもいい。今回、盗難防止装置のノグスコットを取り付け、コンビニに入る時にオンにしてみたら風で揺れて発報、でもこの音くらいじゃ全然乗り逃げできるよな。
ミラクル1を目指す旅が始まった
梅田の元標に着いたら「やすさん」「ぐれさん」が待ってくれていた。梅田新道の交差点にパトカーが赤灯を回したまま止まっている。いきなり職務質問で止められたらどうしよう、普通のキャノボならスタートから24時間なんでスタートしなおせばいいけど、今回はフェリーの時間に間に合わなくなる。ネタとしては最高やねとかお見送りの2人と談笑する。ブルべ出走前の時間のないときにお見送りきてくれてありがとうございました。写真を撮ってくれたので5時39分出発のツイート、現在位置共有もツイート、した筈だったがなぜか上がっていなかった。初めての南行きなのでスタートはいきなり梅新交差点を2段階右折から。信号が赤になる寸前にスタートし、2段階右折。初めての伊勢湾越えキャノボが始まった。


勝手知ったる、いや知りすぎの大阪市内。信号を見ながらひっかからないようにどのようにでも迂回しながらいける。中の島の手前で歩行者もいなので歩道に入ったが、ずっと柵で車道に出られなくなって元の位置まで戻る。勝手知ったるとちゃうんかーいと突っ込みながら走る。高麗橋を渡り、東海道五十七次の終点の里程元票跡で写真を撮りツイート。実際にはこれがスタート代わりのツイートとなった。伊勢本街道の始点とされている玉造神社は国道308号線の少し北にあり、国道には看板が出ている。そのまま大今里から先は旧308の県道、昔の伊勢本街道を走り生駒山に向かう。生駒山がだんだん大きくなる。



暗峠越え
近鉄高架の手前は住宅街の旧街道を走ったほうが信号待ちが少なくていいかもしれない。R308はやけに信号待ちが長い。6時31分高架下をくぐる。TAKO3さんが迎撃にきてくださって写真を撮ってくれてました。ありがとうございます。ドーナツの無限に埋まった劇坂を登っていく
少し頑張って登るが数分で自転車を降りクリートカバーをはめ、押して登る。実は事前の試走での作戦どおり。ここで無理して乗って登っても歩くのとスピードはほとんど変わらないし脚を使い過ぎる。一番斜度の急なところを超え、水飲み場で劇坂が緩んだ所でクリートカバーを外して再乗車、暗峠には7時ちょうどに着いた。ここまでの所要時間は試走から予想していた通り。歩いていた「流」さんに写真を撮ってもらう。帰ってからXでつながった。ご近所に住んでいてよく暗峠を散歩をされている。

お気をつけてとあいさつを交わし、下りはじめる。時間が早いので試走と違って車にはほとんど出会わなかった。急坂を下り切って南生駒駅の住宅街の劇坂を少し上がり、すぐに下ると第二の劇坂、榁木(むろのき)峠が始まる。こちらは短いので乗ったままでも気合で登れるのだけど、残りはまだまだある、無理せず一番急なところの2分ほどは下車して押して上がる。7時24分に榁の木峠に到着、出発して24.7kmを1時間44分、グロアベは14.5km/hほど。キャノボと考えるとものすごく焦る数字だけど、コースプロファイルを考えるとそんなものかな。
そういえばベアリングを交換した右ペダルがまたカチャンカチャンいいはじめる。暗峠で負荷かけすぎてベアリングが抜けたか。走行できるし仕方ない、このまま行こう。でもすごく気になる。ペダルが外れたりしないよな。
伊勢本街道、パンクの始まり
奈良へ降り、阪奈道路(新R308)に合流したあたりで後輪に違和感を覚える。空気圧が下がっているようだ。蔦屋書店の手前の交差点で確認する。スローパンクだ。シーラントが噴き出している所は特にみつからない。電動ポンプで空気を足す。電動ポンプを使うのは初めて。4気圧ちょいまでで1分くらいかかる。あっというまに膨らむCo2と違い結構いらいらする。チューブレスだし4気圧でも走行に支障がないのでポンプをしまって走り出す。何度か信号に止められながらJR奈良駅の横を通って猿沢の池で右折し、奈良町を抜ける。土曜だけど8時前だからそれほど観光客で混んでもいない。いつもなら天理駅の先まで旧街道を通るのだけど、今回はスピード重視で早めにR169に合流する。三輪駅の先で左折し、JR桜井線の下を公園のようなところで通過する。上は自動車専用の陸橋になっており、平地は線路で行きどまっているので初見ではここはかなり難しい。挑戦される方は事前に確認しておいた方が良い。ここから御杖村(みつえむら)の少し手前、栂坂峠をトンネルで超えるところまでが25kmほど、獲得800m少しの登りとなる。長谷寺の横を通過、地名に「初瀬(はせ)」と見える。初瀬街道(はせかいどう)の初瀬だな。初瀬にあるから長谷寺なんだろうか?帰ってから調べてもわからなかった。


写真は奈良町と三輪明神の大鳥居。伊勢本街道には史跡が一杯で走っていて飽きない。時々ツイートしながら走る。近鉄榛原駅の手前、西峠でいったん登りが終わり、榛原駅まで30mほどの下り。西峠の少し先、ローソンの駐車場で空気圧をチェック。電動ポンプには空気圧計が付いているが2.5気圧、3時間で2気圧ほど抜けている。電動ポンプで4.5気圧まで足す。ついでにトイレを借りるが飲み物も食べ物もあるので次回何か買わせてもらう事にしてそのまま出発した。R165から離れて旧伊勢本街道の下りを通って、江戸時代の伊勢参りに使われていた旅籠あぶらやが当時のままの姿で残されているので記念撮影をしてツイート、またUPされなかった。

前半の一応のピークの栂坂峠は3連続トンネルになっており、一番手前の弁財天トンネルまで10km400mUPを淡々と登る。トンネルが見えると前半の登りの大部分は終わったなとホッとする。時刻は9時52分、出発して75.7km、4時間13分でグロアベは18.2km/h。他のルートのキャノボと較べると絶望的な数字だが予定どおりなので心配はない。あとは奥津宿から美杉にかけてと仁柿峠にそれぞれ150mほどの登りはあるがそれ以外は下り基調なので問題ないだろう。
うれしい迎撃、伊勢神宮へ
曾爾村と御杖村の分岐の交差点でロードに乗った人がいる。はじめちゃんだ。ドラフティングはツキイチの人だけでなく前を引いている人にも効果がある。タイムトライアルのヘルメットが後ろが長いのもその理由。
サポート無しというキャノボの決まりごと上、空力の恩恵を受けないように百メートルほど離れてついてきてくれた。
フェリーに乗り遅れたらどうしようもないのでシンドイけれども結構なスピードで漕いで行く。サイクリングでは休憩ポイントとなる道の駅みつえも素通りし、先を急ぐ。いつも色々と楽しませてくれる奥津のモニュメントはこの時は何もなかった。はじめちゃん、いつの間にかいなくなったので帰ったのかなと思っていたが、飼坂峠のトンネル手前、いつも記念撮影をするポイントで写真をとってると追いついてきて写真撮りましょうかって言ってくれたけど、急いでるので大丈夫と行って出発。仁柿峠も難なく登りきり、曲がりくねった道を気を付けながら伊勢へ向かって長いダウンヒルを始める。


R166の合流点で信号待ちをしていると追いついてきたので、はじめちゃん松阪へ?って聞くとフェリー乗り場まで見送りに行きますよって言ってくれた。
結構ややこしい道を通り、伊勢本街道の大常夜灯を撮影してツイートしたら、不審なツイートという事でロックアウトされてしまった。本文に同じタグを入れるのが面倒なので下書きにコピーしまくってそれに画像を貼り付けてUPしてたので、不審行為とみなされたらしい。いままでそんな事なかったのにセキュリティが強化されたのかな?
そういえばはじめちゃんが追いついてこない。国道を通るルートではなく、いにしえの伊勢本街道を辿る道なのでかなりややこしい。もしかしたらはぐれちゃったのかな?後で聞いたら、しっかりはぐれていた。はかり石のある所への分岐で直進してしまったようだ。田んぼの中の道を快適に飛ばす。結構な追い風が吹いている。あちこちに路面の濡れた跡があるが、幸い雨には降られていない。
伊勢市街に入り、信号に引っかかるようになったのでXのロック解除を試みる。なんとか解除できたようだ。宮川を度会橋で渡る。もう伊勢神宮はそこだ。
伊勢神宮下宮前12時35分、フェリー乗り場までは16kmほど。13時40分発のフェリーには乗船時間の余裕を見ても十分間に合いそうだ。空気圧も低いけど追加しないと走れないほどでもない。フェリーでゆっくり見る事にしよう。伊勢神宮の写真を撮ってツイートし、走り始める。五十鈴川駅のそばではじめちゃんが追いついてきた。やはりはぐれていたらしい。結構なスピードで走ってたのによく追いつけたなと妙に感心する。鳥羽までは少しアップダウンのある道だが信号も少ない。信号で止まったときにはじめちゃんが「フェリー13時ですよね」「えっ13時40分の筈やけど」時間を間違えたか、いやそんな筈はないのでは。ネットで確認してくれたみたいで「大丈夫、13時40分で合ってます」いや~めっちゃ焦った。
ミラクル1 フェリー出港20分前に鳥羽港着
ほんの少しだけ霧雨のような雨にあったが、ほとんど濡れる事なく鳥羽の手前まで来られた。到着してすぐに走りだせるようにコンビニで食料と飲み物を買う。キャノボを達成した後で、何か走り参考になった?って聞いたら、「コンビニ入ってから出るまでがめっちゃ早いですね~」やて。まぁ大事なスキルではあります。無事出港の22分前、13時18分に鳥羽港フェリー乗り場に到着。はじめちゃんに記念写真を撮って貰って乗船口の横に自転車を止め、切符売り場にチケットを買いにいく。定刻どおり13時40分、フェリーは出港した。




フェリーに乗ると、とりあえずクイックショットを後輪に注入して乗客デッキに上がった。売店で伊勢うどんと焼きおにぎりを買って食べ、電動ポンプに充電をする。モバイルバッテリーがあれば無限に使えるのが電動ポンプの良い所。Co2ボンベではこうはいかない。


デッキに出てみると所々白波が立っているので海上は風速10m/sといったところか。船内の観光ガイドで映画「潮騒」の撮影が行われた神島が見えるというので右舷側に回るとすぐそばに島の街並みが見える。


また船内に戻りコーヒーフロートを買って薄皮卵パンを食べる。旅の途中に船の行程が入るのは旅情マシマシで嬉しいな。まだ残り距離はこれまでの約倍の330kmもあるんだけど。

空気が抜けてる
船は14時40分に到着する予定なので、制限時間24時間の明日5時40分まで残りは15時間。後半の要求グロアベは22km/h。一般的な木津箱根ルートの要求グロアベと同じくらいだ。まもなく入港のアナウンスがあり、車両甲板へ降りられるようになったのでクイックショットでしっかりふさがっている事を期待して車両甲板へ降りる。さっそくタイヤを確認。なんと、全然治ってなくて空気圧が全然低い。おそらく2気圧くらいしかない。バルブを触るとフレンチバルブのネジは閉まっているのにシーラントが噴き出す。バルブの不具合だろうか?先のねじが固着して回らない。困ったな。ネジが閉まったまま電動ポンプで空気を入れるととりあえず入るようだ。5気圧程入れてバルブから空気は漏れないようなので、不安だけどバルブは触らずにおく。帰ってから確認したら、フレンチバルブのゴムパッキンの所が劣化してボロボロになっていた。シーラントのアンモニアがゴムを攻撃するようだ。長いこと変えていないバルブコアは交換する必要がある。
後半戦、低気圧に吸引されて爆走
港についたので自転車を押して歩行者と一緒に自動車より前に降りる。道の駅の前でタイヤを手でさわって確認。さきほど入れた空気は抜けていないようだ。とりあえず走りながら考えるか。14時40分、出航からちょうど1時間、まったくロスのないタイムスケジュールで走り出す。港に降りてすぐの交差点を右折し、Google Mapで確認していたとおり、いきなり坂道を登っていく。どんよりした海が見える。晴れていたら気持ちいいのだろうけど、雨に近い曇り。カーブを曲がると、なんと急坂の証、ドーナツ地面の下り。次回TO(東京→大阪)をやるとすれば反対から登るので、かなり嫌だなと思いながら下っていく。しかしTOはフェリー乗り場までの330kmの時間調整が難しいし、後半で山岳コースの伊勢本街道、最後に暗峠、相当厳しいはず。この時は半年後にTOをやるとは思わなかった。渥美半島は上りも下りもわりと急なのは伊良湖の近くだけで、アップダウンは無限に繰り返すもののR1に接続するまで傾斜は穏やかなはず。
少し天気が回復してきて時々日が差す。海沿いのはずだけど海からわりと離れているので海は全く見えない。小高い丘のようなところを上がったり下がったりして走っていく。信号で止まったので薄皮パンを口にほおりこんでからタイヤを指で押さえて確認。大丈夫かな?バルブコアを予備チューブのものと変えてみるか。とりあえず渥美半島の付け根までいってコンビニでも見つけて作業しよう。最悪うまくいかなければJRで輪行して浜松か豊橋から新幹線で帰るかな。その場合はさわやかハンバーグを食べよう。信号で止まるごとに前のタイヤを手で確認して、まだ大丈夫、って思いながら走る。追い風は強く、旧一号線に潮見坂の手前で合流するまでのグロアベは28.3kmだった。フェリーを降りて1時間40分、50kmほど走って空気圧も大きく減っていないようだ。いけるところまでこのまま行ってみるか。

潮見坂を少し登るのかと思っていたけど、上り切ったところでR1に合流していて、浜松に向けて下るだけだった。静岡から逆風、といっても1m程度しか吹かない予報だったので、これは何とかなりそうだな。タイヤとペダルが何ともならなくならなければ。潮見坂を下って右手に太平洋が見える。海が見えるのは嬉しい。浜名湖にかけて、初回のキャノボでも通った道。うなぎ屋さんがある。あの時はもう少し薄暗かった気がする。今回は5月31日、時刻は16時半なので全然明るい。弁天島駅で写真を撮ろうと思っていたのに、いつの間にか通りすぎてしまっていた。わざわざ戻ることもないだろう。浜松を越えた所のバイパスはいつもとてもスピードが出る。追い風のおかげもあるのだろうが、道幅も広くて走りやすい。
勝手知ったる東海道ルート
コロナがはじまった2020年に謎の高熱を出しておなかを壊していたのに無理してスタートして、この辺のなか卯で何か食べなければと思い入店し、普段ではすぐ食べられるのに全然喉を通らなくて、それでも食べなければと思って15分くらいかけて無理やり押し込んだな。あの時は2月だったからもうすっかり暗かった。ほんと良くあの体調で静岡まで走ったよな~とか、さわやかキャノボの時はあそこのデイリーヤマザキで総菜パン2個買ったな~とか、過去のことを思い出しながら勝手知ったる道を走る。
大柳の交差点で右折し、天龍川を渡る。時刻は17時22分、出発して11時間42分。OTで12時間以内に天竜川を渡れると概ね順調。白羽の交差点を左折し磐田駅に向かう。18時35分、飲み物がなくなったのでコンビニによる。薄皮パン2パックを補充し、オレンジジュースを一気飲み。いつも少し疲れてくると身体がオレンジジュースを欲する。金谷トンネルまで登り、少し下ったら登り返してほどなく金谷峠のラブホテルに到着、19時10分。記念撮影しツイート。
もう暗くなっているので安全第一でスピードを落とし気味に下る。藤枝宿をこえ宇津ノ谷への軽い登り。元々ヒルクラは苦手やったので、Hideさん篠さんとフレッシュしたときに超登れる2人に気を使われながらゼイゼイ言って登った金谷峠や、「宇津の谷は登りというほどでもないよ」と2人が言ってたのを思い出し、確かに今なら宇津の谷は登りというほどのものでもないな、と懐かしく思い出しながら一人暗い夜道を登っていく。道の駅でR1バイパスに合流し、そのまま車道で新宇津ノ谷隧道(上り側トンネル)を抜ける。初回はわざわざ反対車線の平成宇津ノ谷トンネル(下り側トンネル)の歩道を走っていたな。ほんとにR1東海道はすっかり勝手知ったる道、駿府を抜け、ほどなく静岡駅に達する。20時30分、再出発より約6時間経った。駅前で写真を撮ってツイート。あと約9時間10分、これなら箱根を通っても間に合うだろう、タイヤとペダルが大丈夫なら。
静岡を越えてもパンクが気になる
静岡駅を越えても信号停止ごとに手で前タイヤの空気圧をチェックしていたがかなり空気圧が落ちてきている。ここで空気を足しておこう。怪しいバルブをさわるのは嫌だったけど、ダメなら予備チューブのバルブコアと差し替え、それでもダメならDNFして静岡から新幹線に乗れば泊まらずに家まで帰れると考えていた。なお、帰ってから知ったのだが、パナレーサーの安物の予備チューブはバルブコア一体型でバルブコアを利用する事はできなかった。
6気圧まで空気を入れ、少し走って赤信号で止まった時に再度確認。空気圧は大丈夫そう。ん?タイヤがぬれている。バルブじゃなくてタイヤからシーラントがふいている?なぜ?どこかに穴が開いてる?とりあえず普通に走れているので気にせずいこう。時間も体力も余裕ありそうだけど、箱根を通るとダウンヒルでタイヤが心配やな、ペダルは相変わらずカチャンカチャンやし。やはり当初の予定どおり、トータルでは箱根ルートより獲得標高が多いけど登りと下りが繰り返し来て1回あたりのダウンヒルが短い御殿場ルート(R246)を通ることにしよう。20時54分、信号で止まったときにXの虎の穴グループを見たら現在地共有が上がってなかったみたいなのでツイートする。
スルガ健康ランド前でsugiさんが迎撃してくれた。薄皮グルメをいただく。これは嬉しい!後でツイートしてくれた写真を見たらめっちゃ喜んでます。静岡の手前で補充していたのでサコッシュの空きがあまりなく1本しか受け取れなかったのが残念。
国道246号で低気圧に追いつく
倉沢踏切の横断歩道を、ボタンを押したら速攻で信号が変わる押しボタン式信号を押して渡り、そのままバイパスを走って由比駅手前のスロープを上がる。富士川を歩道で渡ったあと、東田子の浦駅横のアンダーパスを通ってR1沼津バイパスに入る。千本街道を走らないのは初めてだ。広くて信号も少ないのだけど、やはりバイパスは全然面白くない。やがて246号への分岐点、江原公園交差点で信号停止。2020年、鰻とイキステキャノボの時に寄ったイキステ沼津店はつぶれていた。ここで斜めに左折し、R246に接続する住宅街みたいな緩い登りを淡々と登っていく。R246に入ると、とうとう雨が降り出してしまった。伊豆縦貫道路の高架下でウィブレを着る。富沢交差点から先は軽車両禁止なので少し前の南一色交差点で道路を渡って反対車線の歩道に入り、富沢交差点の手前の路地をショートカットして右折する。246の歩道のまま花園交差点で道路を渡りスロープを利用して走る方法もあるのだが、自分はシンプルに県道へ迂回する方法を取る。静岡県から自転車のR246自転車禁止部分の回避法がHPに出ている。しかし左が北の地図って。富沢交差点の位置も間違っているし。下記画像は回転させて上を北にしてある。

雨で濡れているので路面に気を使いながら走る。トイレに行きたかったので県道K394に入ってすぐのセブンイレブン裾野二ッ屋店でinゼリーを買ってトイレを借りる。雨は嫌ですね、って店員さんに声をかけてもらった。時刻は23時31分。道なりにR246に復帰する。R246は道も広く、御殿場までの登りは500mほどで斜度も緩いが、やはりそれなりにしんどい。
快活クラブやルートインがあり、夜中でも明るい御殿場の荻原北交差点でいったん登りは終わる。雨はいつの間にか止んでいる。時刻は0時27分、ここから日本橋までは意外と早くて4時間半くらいだから5時頃につくかな、まぁまぁ余裕がある、タイヤが最後まで持ってくれたら。管沼交差点から生土交差点までは軽車両は走れないので、一つ前の一色交差点を2段階右折する。一色交差点の少し前には左に曲がってすぐ246をアンダーパスしてショートカットできる道もあるが前回少し迷ったので、今回は普通に一色交差点を通って迂回路のK394に入る。御殿場から松田町まで27kmほどの長い下りを終えると、善波トンネルまでを200mほど登り返して結局沼津から合計700mほど登り、皇居の手前までアップダウンを繰り返すので、御殿場ルートは箱根峠を通るより合計の獲得標高は多くなる。ただしバイパス道路なので信号の数も少なく信号の待ち時間も短く、箱根峠を通るより所要時間は少ない。夜中だしずっと単調な景色も似たようなバイパス道路なので何も面白くない。
空飛ぶGPSログ、ゴールへ
飲み物がなくなったので2時過ぎにローソン伊勢原白根店により、バナナとゼリーを買いコンビニ前で食べて4分ほどで出発。厚木で駅の方にショートカットしたが、夜中なので246をそのまま走っても全然問題なかった。4時、二子橋に迂回して多摩川を渡り東京都に入る。あと18km、一時間くらいかな。渋谷はあいかわらずタクシーがカオス。前回は渋谷駅から直進して六本木通りを通ったのだが、今回はR246どおりに青山通りを通ろう、と思ったら駅前の分岐が工事中で少し道を間違える。南青山3丁目交差点、赤坂見附のあたりでガーミンがロスト、今何処にいるの?状態になる。

とりあえずまっすぐ行けばいいのかな?皇居のお堀につき当たったみたいなので2段階右折。国道標識がある。国道20号、えっなぜ甲州街道?スマホで現在位置を確認する。そうか皇居沿いでR246はR20に合流するのか。皇居のそばでGPSがロストする現象は前々回の中央道OTの時もあった。セキュリティのためにスクランブルしてるのだろうか?桜田門前でGPSが復活した。なんにせよゴールはもうすぐそこだ。大手町で永代通りに入るところでまたGPSが違うところを指している。あれ?今の永代通りやな?少し行き過ぎてから戻る。


東京駅の高架下をくぐった日本橋口での表示、もう無茶苦茶やん。ここまで来たらさすがに迷う事はない。5時4分、出発から23時間24分、暗峠越え伊勢本街道から伊良湖ルートのキャノボを達成しました。


6時42分発の新大阪止まりの新幹線グリーン車を早得3で予約していたから少し時間が余ってしまった。駅の待合室でお弁当とビールを飲み、モバイルオーダーでカチカチアイスと珈琲を飲みながら帰ってきました。


グリーン車は車両連結部付近に広い荷物置き場があるのも魅力です。いちばん前の席を取っていたので靴を脱いでくつろごうと思ったらとんでもない悪臭が。あわてて靴をはいてキュッと紐を締め直しました。周りの席の方、すみませんでした。ツイートしてたら寝落ちしていて気が付いたら弁天島通過。
たくさんの応援ありがとうございました。

帰ってお風呂入って梅の散歩行くまでがキャノボ。



なお、タイヤにはサイド際に少し大きめな穴が開いていてこれがパンクの原因でした。シーラントで塞がるものの空気圧を高くすると固まったシーラントが圧力でポン!と飛んでしまって、4気圧くらいだと耐えてくれる感じでした。帰ってからチューブレス補修用のプラグを打ち込んでハサミでカットしたら高気圧でも大丈夫で、キャノボ翌週のアワイチも問題なく使えました。この時の経験を元に、プラグとハサミを持つようになりました。